SUNABA inc. CEO / 砂場研究家

はじめまして。どろだんご先生と申します。
砂場研究家として活動しており、こども達からは「ドロシー」と呼ばれています。

砂場の魅力に惹かれ、これまで世界2000箇所以上の砂場を訪れ、公園や園庭、砂場づくりのアドバイスやプロデュースを行ってきました。
砂場の設計から、深さ・排水・衛生管理・清掃方法・水場の設置に至るまで。山砂・川砂・海砂などの砂の粒子や径について。幼少期の心と体の発達に伴うあそび方の変化や見守り方など、様々な角度から砂場を研究しています。

また、土にふれる楽しさをもっと知ってもらいたいという想いから、本格的な砂場あそびや、ピカピカどろだんごづくりのワークショップを全国各地で開催しています。これまでのワークショップの参加人数は、こどもから大人まで合わせて全国で3000人以上に達しています。

2023年には、こども達の手でつくる新たな公園づくり『SUNABANASHI (すなばなし)』をスタートさせました。SUNABANASHI は、こども達が主役となり、あそび心溢れる公園づくりに参加する取り組みです。従来の公園は大人が設計していましたが、SUNABANASHI は「こども達が公園をつくる」というテーマを中心に、単に公園の形を定めるだけでなく、公園を利用するすべての人々を考慮し、デザインを追求する取り組みです。騒音問題やインクルーシブ遊具、野生動物による衛生上の問題など、公園に関連する多様な課題に対して、こども達が主導となって取り組んでいます。自分たちが暮らす街の公園をより良くするために、砂場を中心にさまざまな視点から挑戦しています。

私は、このような経験とこども達がキラキラとした表情で砂とあそぶ時間を通じて、一緒に笑い、一緒に学び、一緒に成長してきたのではないかと思います。

砂あそびは、人類がこの地に誕生した時から、こども達の創造性や社会性、手先の使い方、自然とのふれあい、ストレスの解消、認知能力の発達など、多方面にわたって彼らの発達に良い影響を与えてきました。
さらに、年齢によって異なるあそび方ができるという点で、砂場という非常に魅力的な遊具に形を変え、今もなお私たちの身近なあそび場として存在しています。

学術的にも、ロンドンの学者によって土にはセロトニンを出す効果があることが証明されています。土を手で触ることで脳内にセロトニン(通称幸せホルモン)が分泌され、心がスッキリし、ココロの発達やストレス解消などにも効果があるのです。

首が座った0歳から、砂場であそぶことができるのも魅力のひとつです。座るだけでバランス感覚が養われ、1歳になると手で砂をすくったり、砂山を崩したりすることができるようになります。2歳になると道具を持ち、全身を使ってあそび、3歳になるとおままごとをしたり、砂で山やダム、どろだんごをつくることができるようになります。4歳になると頭の中に描いたイメージを形にし、5歳になるとグループで協力して作業することができます。そして6歳になると、自分の体ほどの大きさのお城や高度なトンネルをチームで作り上げることができます。

実際に私達が尋ねた保育園や幼稚園では、先生たちに向けたワークショップと園児とのワークショップを行っています。後日、園長先生からのお便りで「ドロシーが来てから劇的に砂あそびが変わった」と言われることがあります。あそび方を少し工夫するだけで、こどもはもちろん、大人も面白くなる砂場あそびがそこにはあります。

SUNABAinc.は、砂場の魅力を伝え、こども達が自分自身の能力と創造力を引き出し、楽しみながら学ぶための事業をおこなっています。ワークショプでは成長や発達段階に合わせたさまざまな砂場あそびを紹介しており、大人の皆さんにもぜひ、童心に戻って一緒に砂場であそんでいただければと思います。

さあ、親子で楽しむ砂場あそびの時間を始めましょう。新たな冒険に挑み、こども達の創造力を刺激し、奇跡の時間を紡いでくれることを願っています。